『メトロポリタン美術館からの贈りもの | 西洋絵画の500年の時間旅行』。
画家の桑久保徹氏による「セザンヌ 意識」を掲載しました。 

本日新たに掲載するのは、画家の桑久保徹氏による「セザンヌ 意識」。メトロポリタン美術館展で来日している2つの作品《リンゴと洋ナシのある静物》、《ガルダンヌ》について、セザンヌの「輪郭」への意識と表現方法、絵の具の色についての考察は、深く惹きつけられます。

“彼の鏡面の眼から入力された輪郭のない光の束は、彼の思考や感覚や感情のオペレーションシステムによって新たに輪郭を与えられて、キャンバスに出力された。これが、絵画の歴史における転換点となった。“


「カレンダーシリーズ」では、尊敬する画家の作品や生涯を1枚の絵に封じ込める作品を手がける桑久保氏。セザンヌについても、たくさんの作品を忠実に、そしてセザンヌが積み重ねた時間や思考を、まるで風景画のように描いています。

それでもさまざまな考察の後、《リンゴと洋ナシのある静物》を見ながらの桑久保さんの感想。

“けれども直感的に、この絵には、私の知らない何かが閉じ込められているのを感じる。今の私では開封できない高次元の何か。こういうものを、あまり見たことがない。困ったなあ。ああ、感動。いつか私にも分かる日が来るだろうか。メトロポリタン美術館から買い取って、眺め続けなければならない。”

お楽しみください。

 桑久保 徹 「セザンヌ 意識」 はこちら。 (会員限定🔒記事です。)

こちらから「セザンヌ 意識」の冒頭一部分の“ちょっと読み”ができます。

桑久保徹《ポール・セザンヌのスタジオ》2015 個人蔵 oil on canvas181.8 x 227.3 cm
Photo by Kenji Takahashi ©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery